第1回ジュバ大学でのセミナー開催(経済分野)
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4月25日,在南スーダン日本大使館はジュバ大学の学生と第1回セミナーを開催し,南スーダンの経済について話し合いました。イベントには,大使館員,経済社会学科学長,経済学を専攻する22名の学生が参加しました。セミナーでは,学生らが南スーダンの経済状況の現状,南スーダンの経済多角化,南スーダンに必要な財政・金融政策について話し合いました。
南スーダンの経済状況の現状について,学生から南スーダンが直面している様々な経済的課題について意見が述べられ,基本的物資の価格上昇,国内での農業生産の低下など,共通の懸念が示されました。また,南スーダンの経済危機が学生やその家族にどのような影響を与えたかについて,個人的な経験が述べられました。さらに,現在の生活苦がもたらされた主な原因は,2015年12月変動相場制に移行したことであると考えている人がほとんどでした。
こうした経済問題を解決するために,学生らは南スーダンがどのように経済多角化できるかについて話し合いました。学生は皆,現在の南スーダンの石油依存型経済は持続的ではないと考えていました。また,政府による石油補助金の政策は,急激な現地通貨安とも相まって南スーダン政府の財政を逼迫していると認識していました。こうした問題意識のもと,学生らは南スーダンが経済多角化を進められる分野として,農業や漁業,鉱業,観光,インフラ等を挙げました。
最後に,継続する南スーダンの現地通貨安を食い止め,南スーダンの経済を回復するために必要な財政政策・金融政策について話し合いました。学生から,独立した中央銀行を設けること,現地通貨SSPに代わる新しい通貨を発行すること,贅沢品への課税を増やし,生活必需品への課税を減らすことなどが提案されました。また,政府は石油補助金を廃止し,農産物へ補助をすること,政府の財政を監視するための委員会を設立すべきだという考えが述べられました。
第1回セミナーは南スーダンにおける経済危機とその解決策について知識やアイデアを共有する非常に有益なもので,来月には,開発協力や政務分野でジュバ大学学生とのセミナーを引き続き開催していく予定です。