南スーダン通信 A Letter from the Ambassador of Japan to South Sudan

2016/2/5

第10回 平和と結束のためのスポーツ

 2016年を南スーダンにとって平和の年にするための国民行事が,1月16日から1週間,首都ジュバで開催されました。「平和と結束のためのスポーツ」をテーマに掲げての「国民結束の日」スポーツ大会です。文化・青年・スポーツ省の主催,JICAとUNESCOの協力のもと,全国9都市から350名もの選手が参加しました。

 1970年代,第一次南北スーダン内戦が終了した直後に,当時の南部スーダンで,「国民結束の日」としてスポーツ大会が開催されましたが,間もなく中断を余儀なくされ,今回,南スーダンの独立後初めての全国規模のスポーツ大会となったとのことです。JICAは,日本の国民体育大会(国体)の経験を南スーダンの国づくりに活かすとともに,南スーダン人選手の2020年東京オリンピック・パラリンピックへの参画を支援すべく,協力を始めました。

開会式の国歌斉唱
開会式の国歌斉唱
開会式の入場行進
開会式の入場行進

初日の開会式は国立競技場で開催され,イッガ副大統領閣下,アロップ文化・青年・スポーツ大臣閣下をはじめ多数の閣僚,ジャダッラ・ジュベック州知事,加藤JICA理事他の臨席のもと,各都市の選手全員が入場行進を行う華やかなものでした。南スーダン政府のハイレベルの出席と挨拶から,国民的行事を通じて平和と結束を実現したいという強い思いが感じられました。

陸上競技の様子
陸上競技の様子
陸上競技表彰式
陸上競技表彰式

 開会式翌日から,早速各都市対抗の競技・試合が始まり,連日広く報道されて一般市民の関心を集めました。私は20日の陸上競技の決勝戦を観戦しましたが,全国各地から集まった選手が肩を並べて全力で疾走する姿に感動しました。また,各種目でメダルを取った選手には,大きな自信と励みになったことと思います。

平和構築ゲーム
平和構築ゲーム
サッカー決勝戦表彰式
サッカー決勝戦表彰式

大会では,各都市混成チームによる平和構築ゲームが行われ,選手村の部屋割りは異なる都市の出身選手が同室で過ごすようにするなど,全国各地からの選手の交流が深まるよう様々な工夫がなされました。最終日は,サッカーの決勝戦でベンティウ市チームが優勝し,幕を閉じました。

自衛隊施設隊によるグラウンド整備
自衛隊施設隊によるグラウンド整備
日本企業関係者の清掃キャンペーン参加
日本企業関係者の清掃キャンペーン参加

 今回のスポーツ大会には,JICAのみならず幅広い日本関係者が協力しました。グラウンド整備は,自衛隊施設隊に加え,橋や給水施設の建設工事を請け負ってっている日本企業が支援しました。自衛隊施設隊は開会式で太鼓の演奏も披露しました。また,最終日のスポーツ・グラウンドの清掃キャンペーンは,JICAに加えて大使館,自衛隊施設隊,日本企業関係者も勢ぞろいで参加し,ジュバ市の清掃員やスポーツ選手と一緒にゴミを拾いました。

 しかし,今回最も強く印象を受けたのは,南スーダンの政府要人から一般市民まで,幅広い層からの国民的スポーツ大会開催に対する強い支持と関心です。南スーダン国民は,平和のもとでの文化的な営みを心から希求しているのだと思います。全国各地の若者が,年1回の全国スポーツ大会に向けて,これからも全力で取り組み,4年後には東京オリンピック・パラリンピックでメダルを獲得するよう願っています。