南スーダン駐箚日本国大使

2020/8/25

着任のご挨拶

堤大使
初めまして。7月31日に在南スーダン大使として着任いたしました、堤尚広(つつみ なおひろ)です。
 
南スーダンは2011年にスーダン共和国から独立した世界で一番若い国です。平和と繁栄への希望にもかかわらず、この国のその後の道のりは決して平坦ではなく、むしろ苦難の連続と言えます。国内の政治的対立と武力衝突によって多くの難民、国内避難民を生み出す混乱が続きました。本2020年2月にようやく統一暫定政府が成立し、国造りに向かおうとしています。
 
日本は南スーダンの独立当初から、この国の平和の定着と国造りに積極的に協力してきました。例えば、南スーダン統一軍、敵対行為禁止の監視、国民対話の推進に対する支援です。また、ナイル川にかかる橋や水道設備の改善などのインフラ整備、人材育成にも取り組んでいます。南スーダン政府と対話し、その意思を尊重しながら協力を実行する日本のやり方は、南スーダン政府からも南スーダン国民からも、歓迎され高く評価されています。
 
ところで、日本は何故南スーダンを支援するのでしょうか。
まず、日本は積極的平和主義の考え方に立ち、国際社会の平和と安定及び繁栄のために積極的に貢献しようとしています。長い内戦の後に建国された南スーダンの平和と発展の努力に対する支援は、この理念を具体化するものです。
国連南スーダンPKOミッション(UNMISS)に対する、司令部要員派遣(2012年1月から現在に至る)、自衛隊施設部隊派遣(2012年1月から2017年3月まで)や、先に述べたJICAによる橋建設、水道設備、人材育成はその具体例です。
また、南スーダンは近隣諸国を含む東アフリカ地域全体の安定、発展にとっても重要です。2019年9月のアフリカ開発会議(TICAD VII)の際に開催された、「アフリカの角及び周辺地域の平和と安定特別会合」において、南スーダンの和平プロセスの進展が取り上げられ討議されています。
そして更に、今後南スーダン平和と安定を土台に、日本の協力を得つつ経済的社会的に発展すれば、きっと日本の方が安心して観光やビジネスに来られるようになると期待できます。すでに、当地の質の高い蜂蜜が日本に輸入されてという事例もあり、そのようなビジネスの芽が大きく花開くことを期待しています。
 
南スーダンを応援し支援しているのは政府に限りません。草の根の交流もアイディアと志のある人々によって始まっています。2019年11月から、前橋市は、東京2020年オリンピック・パラリンピックに出場予定の南スーダン陸上選手団を受け入れ、生活からトレーニングに至るまで、木目細やかに応援しています。そのような日本の優しいおもてなしが、南スーダンでも知られ、日本に対する好感度が高まっているようです。逆に、南スーダン選手団の存在が、日本における南スーダンに対する関心を呼び起こしていると感じます。このような両国の交流がますます深まっていくことを大いに期待しています。
 
私としても、南スーダンの平和、安定、発展に向けて協力すること、そしてそれにより、日・南スーダンの二国間関係を更に良くするために尽力したいと思います。また、人数は少ないながら南スーダンで活躍する、邦人の皆様の安全と健康を守るために、全力で取り組みたいと思います。
 
どうぞよろしくお願いいたします。
 
令和2年(2020年)8月25日
在南スーダン共和国特命全権大使
堤 尚広